女子雇用契約書サンプル|キャバクラ総合管理POSレジ・システムVENUS


どんな仕事でも働くためのルールを作る事は必須で、キャバクラ経営においても例外ではないように思います。 お店とキャストやスタッフとのトラブルの殆どは、明確なルールが無い為に起きてしまっているケースも多いでしょう。 かと言って、ルールばかりでガチガチに縛り付けてしまえば、指揮も下がり、サービスも低下してしまう。水商売では、 やはり機転を利かせる目や思考を養う事も必要で、管理する側が曖昧でいい加減な判断をしてしまうと思わぬトラブルを 招いてしまうこともあるでしょう。

 ここ最近、スタッフやキャストが労働基準局に駆け込み、監督署から指導を受けたという話をよく耳にします。 労働基準法に沿った、就業規則や雇用契約書が無いだけで、莫大な未払い給料を請求されるケースもあります。 お店からすれば、とても理不尽に思える出来事なのですが、 法律で定められた雇用をしていなかったと諦めるしかありません。 しかし、労働基準法に沿って、お店のルールをしっかり取り決め、明確にするだけで これらのトラブルは事前に防ぐ事ができます。キャバクラ女子キャスト向けの、就業規則と雇用契約書、業務委託契約書のサンプルを つくってみました。労働基準監督署へ伺い、相談しながら作成したものです。ご自由にダウンロードして、貴店に合わせて 作り直してみてください。

 

 

キャバ嬢雇用契約書サンプル|キャバクラ総合管理POSレジ・システムVENUS
キャバ嬢業務委託所|キャバクラ総合管理POSレジ・システムVENUS

 

 

★キャバクラ営業においての就業規則作成における注意点

 

 

1、無断欠勤などは、罰金ではなく減給とするべし 

労働基準監督署でお話をお伺いした限りでは、そもそも罰金という仕組みは法律では認められないそうです。 例えば、無断欠勤で罰金1万円として、会社は採用、本人は不採用という行き違いがあり、10日後に気づき出勤したら マイナス10万円からのスタートとなってしまう。こう言ったケースを無くす為に罰金という制度を違法としているようです。 従って、あくまでも減給とし労働に対して支給した給料の中から減らすという事なら問題ないようです。 ただし、減給の取り決めがあります。
『労働基準法第91条』
就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、 一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
 
となっており、何度無断欠勤しても給料支払額の10分の1以下にはできないので、休みが多く月の給料が3000円くらいなら 3000円以上のペナルティーは取れないわけです。

 

 

2、深夜労働割増賃金について 

これは2016年4月に法改正されるかもしれませんが、今の所は気をつけておいた方がいいと思います。『労働基準法第37条』
 使用者が、(省略)労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、 その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内で (省略)割増賃金を支払わなければならない。

ここでの『深夜労働』とは、夜10時~朝5時までの時間帯となり、夜10時以降は25%以上の割増賃金で 給料を支払わなければならないわけです。 時給4000円の女子キャストであれば、夜10時以降は5000円支給しなければならないのです。 仮に夜1時まで営業するお店で、何も考えずに、給与明細に(時給4000円)と書いて女子キャストに渡してしまえば、 後日1日3時間分3000円の未払い給料の請求をその女子キャストが出来るわけです。
『ホステスの未払い給与を回収します!○○弁護事務所!』なんて広告をよく見かけるのは、 この法律があるからなんだなぁ~・・と、そう思いました。 
お店側の対策としては、給与明細書に内訳を明記すればいいようです。 例えば、時給4000円で夜8時~1時までの労働であれば、時給3000円×5時間(内深夜手当て5000円)=合計20000円 という様な深夜割増賃金を支払っているという記載があればいいそうです。基本時給の25%をすべて深夜割増賃金にして 記載すれば問題はありません。

 

 

3、退店後3ヶ月間は近隣のお店で働いてはダメという誓約はNG 

多くのキャバクラ店では、優秀な女子キャストに近隣競合店舗に移籍されてしまえば、 お客様をごっそり持っていかれしまうので、退店後一定の期間、近隣店舗で働かせない誓約をさせる事が多いのですが この行為は違法になるそうです。 法律的には、民法や労働契約法などにも引っかかり、そのケースによってどう判断するか?が異なるようです。 基本的に、その人の未来への人生に影響を与える行為はダメらしく、お店側は、損害賠償で訴えるくらいしかできないようです。 とは言え損害賠償で訴えたとしても、裁判で勝てる確率は低いそうなので、移籍されないようなお店づくりをして行くのが、 ベストなのかもしれません。

 

 

4、通勤時の事故や怪我の補償 

『労働基準法第37条』
労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、 使用者は、労働者の療養中平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない。

労働者災害保険法、雇用保険法なるものもあって、それなりの補償はしなければならないようです。 では『飲みすぎて二日酔いでお店休みます!』といったケースはどうなるのか?と労働基準監督署で伺ってみた所、 診断書が必要になるので、急性アルコール中毒と診断されると支払い義務が発生するかもしれないそうです。 労働災害保険をかけなければいけないので、お店が負担するわけではないのでしょうが、気になる所です。 キャバクラの場合、キャスト入れ替わりが激しいの、一人ひとり保険をかけるのは面倒なのですが、決算書があれば 年間の支払い給与に対して、保険をかける事ができるそうです。

 

 

5、解雇予告 

問題を起こすスタッフや社員は、解雇しなければお店に不利益になってしまいますが、解雇によるトラブルも多いので 解雇する場合には十分注意が必要です。
『労働基準法第20条』
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の 平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて 解雇する場合においては、この限りでない。

法律上は、上記のようになっているので、一般的には30日前に解雇予告をしなければなりません。 懲戒解雇の場合は、この必要はないのですが、事前に所轄労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受ける意必要があります。 行政的な解釈で即時解雇できる事例は、窃盗・横領・傷害・風紀紊乱・経歴詐称・無断欠勤や出勤不良を 数回の注意を繰り返してもで改めない・・など、色々あるそうですが、事前に解雇予告除外認定を受けられるか確認した方が よさそうです。
ただキャバクラの場合、採用したもののお客様の苦情が多い・・とか、色々と問題が発覚するキャストもいると思います。 そういった場合のお店側の対策として、雇用期間を30日くらいに短くして、毎月の面談で更新を決めるとか、14日以内であれば 解雇予告は必要ないので、はじめの2週間は研修期間として定めるかするといいと思います。

 

 

6、時給計算で15分単位の切捨ては違法? 

時給計算時の時間を毎日15分単位で切り捨てる事は違法のようです。
『労働基準法第24条』
賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。及び37条

労働基準監督署でお伺いした内容では、毎日切り捨てにすると違法となりますが一月単位で集計し30分単位での切捨てなら大丈夫だそうです。 例えば、20:00時出勤なのに20:08分に出勤した場合、遅刻減給はかわいそうだからと言って、15分単位で時給を切り捨て 計算すると違法行為となってしまうそうです。 どうしても、毎日切り捨て計算したい場合は、雇用契約を日雇いにし、就業規則で遅刻の減給を明確にする方法があります。

 

 

7、女子キャストを個人事業主扱いするのは違法 

女子キャストを個人事業主または外注扱いする事は違法のようです。
『労働契約法第2条・第6条』
○この法律において「労働者」とは、使用者に使用されて労働し、賃金を支払われる者をいう。
○この法律において「使用者」とは、その使用する労働者に対して賃金を支払う者をいう。
○労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。 

源泉所得税を支払いするのが面倒なので、女子キャストを個人事業主扱いするお店もあると思うのですが、 いくら外注としての契約を締結しても、労働契約法上違法になるそうです。 労働者かそうでないかの見分けは、営業中指示命令を受けているか?で判断するそうです。 キャバクラ営業の場合、お店側が接客をするテーブルを指示するので、労働者となってしまうそうです。 完全なる場所貸しとして扱う場合は、外注として認められるようです。ホステスがお客を連れてきて飲食させ 場所代として、ホステスがお店に支払いをするケースは、お店からの指示命令はないので、労働者として扱う必要はない そうです。

 

 

8、アフターの強要は、賃金を支払わなければならない 

最近のキャバクラでは、アフター行為を禁止するお店も増えて来ましたが、指名が取れない女子キャストに アフターやを強要するお店もまだまだあり、この場合賃金の支払い義務が発生します。
『労働契約法第10条』
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。 

賃金を支払わないといけないケースは、あくまでもお店が強要した場合で、自主的に行動するのであれば、賃金の支払い義務は 発生しません。 同伴も強要すれば、賃金支払い義務が発生するのですが、殆どのお店には同伴バックがあるので、問題ないと思います。 アフターに関しても手当てを支給していれば問題ないので、成績の悪いキャストの時給を下げ その分を手当てとして支給するようにした方がいいかもしれません。