先日、お伺いしたお店で、元従業員の家族に労災で訴えられたというお話を聞きました。元従業員は、体調が悪いという事で退社したそうですが、退社して翌月、心臓の病気で亡くなったそうです。
その結果、家族から過労死だと訴えられた・・・TVなどで過労死の労災認定のニュースを目にする事はあっても、まさか当事者になるとは思ってもいなかったと、そんな事をおっしゃっていました。
お店は、法人となっており、男子スタッフは社員として扱って申告していたものの健康保険も労働保険もかけていなかったそうです。お店の営業時間も明け方まで営業する時もあり、確かに労働基準法違反また、風営法の営業時間順守を指摘されるととても弱い立場にあり、また、就業規則もなく、労働条件が明記されておらず、とても困っていました。
問題になっているのは、亡くなった元従業員の方が、入社前から心臓を患っていたと話していたそうで、本当にお店の労働状況が原因で亡くなったのか?という点です。要するに、入社時に健康診断をしていないので、入社前から心臓が病んでいたか?の証拠がないのですが、親族の方に一方的に過度な労働のせいで心臓を患い亡くなってしまったと、主張されているそうです。お店の死活問題になっており、現在弁護士同士で話し合いをしているそうです。
通常、昼間の会社では、入社時に健康診断を受けさせられるのは、当たり前の事なのですが、確かに夜の業界で、定期的な健康診断はあっても、入社前の健康診断を実施している会社は、少ないなぁ~と、そう思いました。スタッフの殆どがアルバイトや外注扱いですし、そもそも社員が少ないですしね。とは言え、少ないと言えど社員は社員なので、法に基づきしっかりやった方が良いと思います。
労災の認定を受けると、支払い給与の6割を労働保険が負担してくれます。問題は、賠償請求が認められると、会社は賠償額を支払う義務が発生するわけですが、労働の安全配慮が欠けていた場合や違法行為が認められると、殆どが賠償請求を認められるそうです。このお店の場合、労働基準法違反、風営法違反が認められるので、かなりヤバイとおっしゃっていました。
こんな出来事のお話を聞くと、しっかり法律は守らないと全てを失う事になりかねないので、出来る限りしっかりとした経営をした方が良いでしょう。特に、入社時の健康診断はしっかり実施した方が良さそうですね。
参考までに・・・
労働保険制度 労災が発生した時